高止まりしている円高でメーカー業績の下振れ、

株安による評価損、

厳しい経済環境の中で個人消費は締まって来ている。

その中、小売業は消費者ニーズの掘り起こしや

業種の垣根を越えたより激しい競争を始めて来ている。


・関東信越のコープネット事業連合は今月のお奨め商品を始め、

宅配する運転手が商品の売込みを図って効果を上げている。

供給高の7割を占める宅配事業はネットスーパーの台頭で

影響を受けたとことの対抗策として新たに運転手の販促を実施、

個人のやる気を引き出し販売力強化を図っている。


・セブン・イレブンが週末朝市を実施

北関東地域の約150店舗で土曜の午前中に、

店の駐車場で地場野菜を中心に朝市販売を開始し、

主婦層の取り込みを図って好調に推移、今後も拡大の予定。


・ローソンが野菜宅配のらでぃっしゅぼーやと組んでネットスーパーを始める

注文を受けてから最短3日で全国に配送する方法で

有機野菜のこだわりとコンビニの加工食品を合せた宅配で顧客を開拓する。


大手コンビニの業績拡大が鮮明になってきており、

30坪の店は消費者のニーズを取り込みながら日々進化している。


小売業の進化はバックルーム作業においても始まっている。

・DSのザ・プライスは1人で複数業務をこなす

DSのローコストオペレーションは運営の鍵となる中、

1日2回の「がんばるタイム」で生鮮担当を含む全員で

グロサリーの商品補充を担当し、作業時間の短縮を図っている。

経費で最も多い人件費について、

店全体作業の中でベストミックスを追求していく

仕組みづくりがポイントになりそうだ。


・惣菜部門や外食産業で最もかかる管理作業は清掃であり、

特に排水溝やグリストラップは皆も嫌がる手間のかかる作業。

そこに「マイナスイオンを注入して、油を分解する」仕組みで

作業負担を大幅に減らす装置がイオンジャパンから発売された。


小売業のコスト削減・生産性の向上は今後の大命題であり、

それには店全員の知恵による「かいぜん」と仕組みづくり、

省力化機器の開発が欠かせない。


2011年産新米がピークを迎える中で放射性物質の汚染問題、

消費者の食の安全意識に対する対応が求められる中で、

小売業の原材料調達から商品までの垂直管理が進んで来ている。

・セブンHDは大手食肉メーカーと組んで、和牛を岩手県の専用牧場から調達する。

当社は肉牛の繁殖段階からメーカーと取り組み、

飼育から出荷までの管理を確認することで、消費者の安全意識に対応する。


この垂直統合はコストと品質面から進められて来たが、

そこに安全面が加わり、より加速していくに違いない。

「現状維持は退歩なり」

消費者のニーズ -- 安全・品質・こだわり・値頃・適量・時間・・

に対して何を取り入れ、何を改善しているかで先が見えてくる。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net