・英国のスーパーの最大手テスコ、日本撤退

テスコは8年前にシーツーネットワークを買収して日本に進出、

「テスコエクスプレス」を中心に129店舗を展開しているが、

アジア各国に比べ日本の店舗は減収で、

日本の市場に見切りを付け、アジアにシフトする計画。

大手の外資小売業の撤退はカルフールに続き2社目となった。

日本のテスコエクスプレスは100~250坪クラスの小型店で、

コンビニとも競合する点も多いが、

国内では大型店の郊外出店を規制する「改正まちづくり3法」の影響や

高齢化社会に対応する方向で、

小売り・外食などサービス業の出店計画は小商圏の小型店が中心になって来た。


同社の小型店は何故、生き残ることが出来なかったのだろうか?


・2011年、1~7月に未上場スーパーの倒産件数は39件。

帝国バンクが公表した未上場スーパーの負債1000万以上の倒産は

前年同期を3件上回る結果となった。

ここ数年はスーパー倒産がゼロの月はなく、帝国バンクは異例だと指摘している。

未上場スーパーの2010年・売上高は(年間200億以上)前年比0.7%減少した。


地域に密着している小型店の食品スーパーは何故、生き残ることが出来ないのか?


・2012年3月期に最高益を更新する上場企業は150社を超す見通し。

東日本震災や世界景気の減速を受け、

「節電」や「節約」、家庭内食事を志向する「巣ごもり消費」と言った

消費者に対応した企業が検討している。

中でも、サービスや小売業などの国内需要系企業が多いと言う。


・専門店やコンビニの客単価が上向いて来ている

今年1~7月までの期間で大手12社の客単価は連続して前年同期を上回った。

大震災のあった3月の12社の既存店売上は8%減少したが、

客単価は5%上昇し、それ以降もプラス傾向が定着している。

特にコンビニでは味を改善した商品や量を増やしたデザートの開発、

靴店や衣料店においては機能性を強化した商品開発を強化しており、

消費者の「ウォンツ」を引き出す商品が結果にとなって表れている。


・人口減少と高齢化で縮小する消費

この現象がこれから数10年続くと見込まれる中で、

地域社会と密接に関係のある食品スーパーは

生き残りをかけてゼロから取り組むことを迫られている。


1、商売の基本は接客

セルフサービスでは接客を軽視してきたが、

これからは店から消費者に進んで近付き、接客する時代になって来た。

そして消費者の声を聞き、その要望に答えていかなければならない。

「潜在ニーズの掘り起こし」が求められている。


2、素材品から調理加工品(惣菜)の提供

家庭消費はエコや節約を求め、これは時間の節約も含めて

「HMR」家庭内食事の置換えが進んで来ることが言えます。

単身者や家庭の主婦は、何が節約になるかを総合的に判断して行動するようになり、

スーパー各社は生鮮の惣菜化を強化しなければ売上確保は難しい時代になって来ました。


3、自店は何屋か、商品と売場の特徴が良く分かる店

過剰店舗で消費者は店の選定が分からなくなってきています。

店に消費者の興味ある特徴がなければ価格志向になるだけで、

外資店舗の撤退やスーパーの倒産はこの特徴が見えない為、

消費者の支持を得ることが出来ない結果です。

再度、自店の良さは何か、特徴は何かを問うことが求められています。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net