先週の中で「値上げ」に関する情報を拾って見ると、

・食品産業センターが食品メーカー各社のアンケート調査の中で

 今後1年間で主要原料の仕入れ価格の上昇を見込む企業は64%に達し、

 その内、43%は製品値上げで対応すると回答した。

 特に、穀類豆類加工品、野菜果物加工品を主原料にする企業に多い。

・2010年度産米の卸値価格が高騰している。

 新潟産、福島産コシヒカリ、秋田産あきたこまちなどの代表銘柄について

 昨年の新米出回り時期から約6割、震災後に比べ約3割の上昇になっている。

 しかし、首都圏大手スーパーの店頭価格は新潟コシヒカリ5kg¥2280と横ばい。

・食用油メーカーの大豆油、菜種油は業務用の卸値が前月比6%上昇した。

 業務用卸価格は1缶(16.5kg)¥3750~¥3850と前月比¥200の上昇し、

 昨年の春以降¥1000(36%)の上昇となった。

・輸入エビの代表品種、ブラックタイガーの国内価格が上昇に転じている。

 主産地のベトナム産が感染病で3割減の可能性があり、

 インドネシア、ベトナム産のブラックタイガーは前月より5%の値上り傾向、

 1.8kg当り(16/20)¥2,200~¥2300)と¥100の値上り

国内は震災によって東北産の穀物、野菜、果物、海産物、畜産全般に渡って被害を受けており、

今年度末に向かって食料品の値上がりは避けられそうにない。


日経新聞社まとめの2010年度飲食業調査の中で、

・店舗売上上位100社の合計は前年比0.1%減の5兆3181億円となり、

 1974年調査以来、初めての減収になった。

 ファーストフードや回転寿司は伸びたが、その他は市場飽和や震災の影響で大苦戦の状況。


その中で、店舗伸び率の高い企業と店舗の特徴は

・エムグランドフードサービス(ステーキハウス・けん) 前年比 232%

 ファミレス店の居抜出店により既存設備や器具を活用するため、

 店舗に統一感はないがメニューの割安感で好調 

・トリドール(丸亀製麺うどん) 前年比 28.7%

 個店オペレーションを重視、うどんのコシのある出来たて感で人気を取っている。

・アークランドサービス(とんかつ) 前年比 14.8%

 カンバン商品のカツ丼は80gの豚肉を使用して¥514のお得感を出し、

 メニューの絞込みとオートフライヤーの導入で人件費を押さえている。


3年前のリーマンショック、3月の東日本震災等の事故災害を契機に

消費者の購買行動心理は変わって来ています。

・ブランド志向は減少し商品の本質を求める本物志向

・地球環境に優しい、人の心を和らげるエコ志向

・企業、商品の倫理的、社会的姿勢に対して応援するエシカル志向

消費者は競争社会から共存社会へ、それぞれの企業・店舗が自分の持ち味を生かした

商品づくりと販売方法を求めているのではないでしょうか。



今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、寿司


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