10月の日経消費DIは前回の7月に比べ6ポイント低下した。

(DI-消費関連企業の景況感を示す判断指数)

3カ月後の業況見通しはマイナス17と前回に比べ8ポイント低下。

昨年の震災から今年4月まで回復していた業況は、前回7月から落ち込んでいる。

又、「今後3カ月の客数」もマイナス1となり4期ぶりのマイナスになった。


今年のボーナス・年末商戦の見通しは10月DI調査の回答では、

「前年並み」の回答が61.2%と昨年の調査より8.4ポイント上回った。

夏から秋まで売上を落としている為、年末商戦への期待は大きい。

百貨店ではおせちの予約商戦が始まっているが、新聞報道によると

・そごう西武では受付から先週までで、前年比10%増と好調な出足。

・高島屋東京店ではクリスマスケーキの予約で、すでに5品が売り切れた。

年末商戦は不況感が出れば出る程、消費者の期待は大きくなる。


日銀は22日公表した地域経済報告で、震災復興需要が底固い東北を除いて、

全8地域の景気判断を下方修正した。

日銀が地域経済報告で8地域の景気判断を下げるのは、

リーマンショック後の2009年に全9地域で下げて以来、

3年9カ月ぶりと7月の報告から一転した。

日中関係の悪化や輸出の不振が景気の足を下押しする構図がハッキリして来たと報じた。


個人消費が冷え込んで来ている中、日本マクドナルド原田社長は

「新商品を投入するより、確実性の高い定番商品で売上を取って行く」と強調した。

そこで日々の買い物の中心になるのが食品スーパーの小型店。

SMの小型店が計画どおりの利益を出していけるかどうかがスーパーの行く末にかかっている。


・マルエツは小型店「マルエツプチ」で生鮮品の自動発注を開始する。

 マルエツは都市部の小型店で1日当り、1人の作業を3時間削減出来ると見込む。

 客数や数量PI値から予測して、在庫確認して発注の手間を省いた発注をするが、

 天候の変化や地域催事に対応出来るように、従業員の発注修正が出来るようにする。


・西友は7月からテストして来た精肉の自動発注を関東と長野県内の200店で実施する。

 担当者の思いこみや感覚に頼った発注をなくし、担当者不在時の発注精度アップを図り、

 将来的にじゃが芋や玉ネギなど相場安定している商品に自動発注を拡大する。


・小型店のローソンは今月末までに全国で野菜と精肉の取扱いを始める。

 加工したカット野菜と冷凍肉6品目を扱い、コンビニの客層拡大を見込む。

 ローソンでは04年に27%だった女性客の比率は11年には40%に上がっているという。


・外食のサイゼリヤはスパゲティなど単独メニュー小型専門店の出店を始める。

 スパゲティ専門店では価格帯をS¥290、M¥390、L¥490など

 プライスラインを分かりやすくして対応する。

 外食店もコンビニのように「機動的に消費者のニーズに答える事が必要」と

 サイゼリア堀埜社長はいう。


・米のウォルマートは「ネイバーフッド・マーケット」と呼ぶ小型店の出店を強化する。

 都市や近郊地域を狙い、小型店の出店を加速してEDLPをベースにした成長を狙う。

 同社では小型店の強化で今後景気が悪化しても成長が見込めると計画する。


景気減速は明らかになり、個人消費が冷え込んで来る中、

小型店の位置付けが大きくなり、サービス力が決めてになってくる。

小売・サービス各社は客層の拡大や1点でも多く消費してもらう為の

戦術を磨いて生き残りを模索する。


上期小売業の厳しい業績が発表される中、

ヤオコーの4~9月期連結営業利益は前年同期比1%増の62億円になったと発表した。

ほぼ前年並みだが、スーパー他社が減益の中で目立つ決算となった。

同社は低価格品を拡充したり、ポイントカードの導入で集客力を図り、

生鮮・惣菜の商品開発や提案力で客単価アップを図っている。


消費の2極化は良く言われて来ているが、

今後の集客と客単価アップには2極化の要因である低価格と高質戦略を

並行して取り入れて行く事が重要になっている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net