パートの求人倍率が昨年4月0.86から今年6月に1.12まで上昇した。

正社員は同月で0.72となっており、パート需要の増加が目立つ。

厚生労働省によると、パートの所定内給与は2月以降、5カ月連続で前年を1%上回る。

震災後の消費の復調で小売業の新規出店が旺盛で、

大手コンビニ5社が今年度過去最大の出店を予定しているが、

その従業員の多くはパート・アルバイトであり、パート獲得競争は続きそうだ。

リクルート調査では三大都市圏のパート募集平均賃金は916円で昨年同月より13円上昇した。


水産庁はクロマグロの資源保護を強化する為、養殖用の未成魚の漁獲を規制する。

未成魚の乱獲で成魚の数が減る懸念が強まっている為、

最大の消費国として未成魚の漁獲量が現状以下に収まるよう総量規制を導入する。

太平洋クロマグロの「巻き網魚」では未成魚の総量規制はあるが、

沿岸での養殖は規制の対象外の為、未成魚を養殖場に持ち込むケースが急増している。

養殖は成魚になる前に出荷するのが一般的であり、

このままではマグロ資源の地盤沈下につながると懸念される。


このようなパート労働者の賃金アップや食資源のコストアップは

販売価格の押し上げ要因につながり、日本経済のデフレからの脱却に影響するとの声もある。


しかし、仕入れや販売コストアップを価格に反映出来ないのが現在の店舗間競争にある。

その為、小売り各社は利益確保を急ぎ、コンビニ各社のPB開発が活発になっている。

・ローソンは「ローソンセレクト」の商品分野を広げ、

 12年は昨年の4倍の800億円規模に育てると公表。

・ファミリーマートは10月にチェーン名を冠した「ファミリーマートコレクション」で

 初の統一PBを導入し、Fシリーズなど、既存のPB12種類を統合する。

・セブンイレブンの「セブンプレミアム」はグループ売上の75%をコンビニで販売しており、

 1日1店当り5万から8万円に引き上げる方針。


又、現在の営業時間帯で空白になっているのが、早朝の時間帯だ。

・イオンは今年6月から始めた7時開店が期待したシニア層だけでなく

 若い主婦層や出勤前の会社員らも取り込め好調だったことから、

 通年7時開店で早朝営業を消費者に浸透させ、集客を図る意向だ。

営業が苦戦するスーパー各社も右ならえで早朝開店に続く店が増えそうだ。


・コープさっぽろは北海道内32市町村で移動販売を強化する。

 2013年までに専用車を現在の3倍100台までに増やす。

 現在は専用車1台当りの平均売上は85000円前後で損益分岐点を越え、

 専用車には生鮮食品やお盆には寿司も販売し、ニーズにきめ細かく対応している。

その他の生協各社も移動販売を始めるところが増えて来ている。


・宅配ピザのドミノピザは持ち帰り需要のニーズに対応する為

 幹線道路沿いの出店を強化し、2013年3月期までに6割増の40店を出し、

 5年後を目途に500店舗体制にする。

 これも経営改革から既存店売上が増えるなど、業績が改善して来ているから出来ること。


小売りサービス業の競争激化の中で、消費者が店を選択する目線がレベルアップし、

店選択の特徴が見えるかどうか、距離的なハンデイがあってもその店でしか販売していない商品、

又その店が他店と差を付ける商品価値とサービスなど、

消費者からこの店で買い物がしたいと思わせる基準がより高くなっている。

従って、商品・サービスが昨年に比べ一歩前進しているかどうか、検証して見る必要性は大。


食品スーパー単独では初めてだと思うが、

マルエツが中国家電最大手企業と合弁で本土に進出すると発表した。

次年度から出店し、17年度を目途に100店舗、700億円体制を目指す。

しかし相手は家電販売店でありラオックスの提携企業、

日本の家電が苦しんでいるように中国でも同様であり、

家電店の集客には食品が必要になる時代がやって来ているようだ。


又、中国の百貨店大手の大商集団は店舗間競争に対応する為、

日本流の接客サービスを取り入れ、日本の商品やテナント導入を狙う。

今まで、販売員とお客様に距離感があると指摘されていた中国百貨店は、

心をこめた接客サービスを強化し、勝ち組に残ることを模索している。

 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net