3月から新年度に入り、小売業の業績は

・百貨店2桁の増収、コンビニは1桁の増収、外食も軒並みの増収に対し、

 スーパーは2.4%の減収、3.11の震災影響が業態別に分かれ、影響しました。

スーパーは震災後に水やカップ麺などの買い溜めの反動減が出た内容で、

改めてスーパーは食生活のインフラ産業であることを再認識しました。


四半期ごとに調査している日経消費DIの4月調査で、

現在の業況判断は前回の1月に比べ、5ポイント上昇のマイナス11だった。

まだ水面下の状況だが08年以降、最もプラスに近づいた。

(DI指数は企業からの有効回答で業況が「良い」と言う割合から「悪い」の割合を引いたもの)

外食、サービス業ともに7ポイント上昇し、最近3カ月の客数も前回1月より上昇している。


今日からGWに入ったが、旅行各社は予約を大きく伸ばしており、

東北旅行を中心に大手会社は5割~2倍増と、震災前の水準に達したと報じた。

宮城県と福島県は1割減だが、岩手県と青森県は1割増と回復しており、

消費者は観光を通じて、復興を支援する意識と消費意欲が一致した結果になっている。


今後、消費を引っ張るのは団塊の世代が有望と新聞各社が報じている。

65~69歳の1世帯当りの支出が昨年7月から前年を上回り、

特に旅行・レジャー・教養娯楽サービスや衣料品などへ支出を大きく増やしている。

一方同じシニアでも、60~64歳の支出は2月までは9カ月昨年を下回っている。

その原因は65歳以上の「年金」が今年から全額支給になった事が大きいようだ。


しかし、私見では年金が全額支給になっても、それが直接消費に結びつくとは思わない。

前回、日経で紹介された、

生活に余裕が出来ても、積極的に物を買うことでなく、

商品の機能性や必要性を吟味して、本当に必要な物を買う動きが出て来た。

消費者は日常品の購入はお値打ち感を重視し、値頃感のある商品で味・品質の良い物を、

その中で容量・サイズが自分に合った商品を選ぶ、「ニューノーマル消費」が本音だと思う。


中高年になると肉を食べたいと思う食欲が薄れて来る人が多く、

本当に美味しい牛肉は霜降り肉だが、脂肪が多くシニア層には敬遠されている。

赤身肉を冷蔵庫で包装をしないで、30~40日程度熟成させるドライエージング法で

熟成牛と呼ばれる牛肉の販売をゼンチクグループが力を入れて来た。

肉を酵母菌によってカビを生えさせるような状態で熟生を促し、

一般牛に比べ、うまみ成分のグルタミン酸やアスパラギン酸が約4倍、

甘味のある美味しさを示すアラニンが約2倍、風味の良さを表すアルギニンが約2倍強と

高級和牛より安い価格帯で美味しい牛肉が食べられると言う。


首都圏スーパーのヤオコーが25期連続の増収増益を達成すると報じられた。

人口減による消費縮小が起こる中で大変な実績だと、私を含め感心する人も多いと思う。

同社はご存知のように、首都圏中心のスーパーだが「食を提案する店づくり」を標榜している。

店ではメニュー提案コーナーをいち早く立ち上げ、商品の安さだけでなく、

品質や見映え、食べ方など商品の価値観を訴えている。

そのバックボーンにあるのが、

創業者から伝わる経営理念「ヤオコーをつくために母がくれた50の言葉」にあるようだ。

行き詰まりを打破する為には、自分が変わらなければならない・・・

商売の本質を説く考えが現在の提案型売場づくりにつながっていると感じている。


企業の成長は人の成長と同じ、サービスは人が作りだしお客様は人が作る。

消費者が欲している商品・売場・サービスを最優先して実行出来る人・企業が成長する。

再度、商売の本質を追求したい。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net