2011年、百貨店とスーパーの既存店売上は15年連続で昨年を下回っている。

・百貨店の既存店前年売上比は2%減

・スーパーの既存店前年売上比は0.8%減

大手スーパーで前年を上回っているのは、ライフやイズミヤなど12社、

下回っているのはイトーヨーカ堂、ユニーなど6社だった。

東日本震災後の特需があったが、食料品などコンビニに客数が奪われる等

業態間の新たな競争関係が進展している。


米国の小売業年間売上の約4分の1を占める年末商戦の結果が報じられた。

2011年11月~12年1月期の決算では

・ウォルマート、5%増収、15%の減益

・ターゲット、 3%増収、 5%の減益

・シアーズ、  4%減収、 赤字

ディスカウント大手は減益だが増収になり、最悪期を脱しつつあるようだ。

反面、高級百貨店のメーシーやブルーミングデール等は増収増益となり

米国の景気は上向きつつあると評価されている。


国内において、内閣府の発表した2月の地域経済動向では、

全国11地域の中で南関東、九州、沖縄など3地域が景気の上向きを示し、

その他地域も持ち直しつつ現状を維持していると報じた。

24年度は景気の底上げが期待出来る年になりそうだ。


その中で、小売り各社のチャレンジ状況を見ると、

・好調決算を発表しているローソンは、店舗で肉や野菜を扱う生鮮売場を

 今後7000店まで増やし、主婦などの新たな利用客を取り込む計画。


・都市部のコンビニがカバー出来ない日常の買い物をカバーしようと、

 イオンの小型スーパー「まいばすけっと」は12年度の新規出店を

 160店舗を計画し、13年末までに600店舗を予定している。


又、成長する中食市場の中核である総菜業界の中で、

自店の個性を主張する企業の独自MDが日経MJで紹介された。

・最大手のロック・フィールドは昨年12月から

 「黒毛和牛の赤ワイン煮込み」など冷凍食品の販売を始めた。

 これは製造から賞味3カ月のロングライフ商品であり、

 同社が家庭食卓へ専門店の味を新たに提案する。

 又、家庭でメニューを盛り付ける「9マスの陶磁器」を販売し家庭の楽しい食卓提案を始めた。


・手作り和惣菜で注目されるまつおかは、名古屋のしっかりとした味付けと色合いで、

 独自の煮物の味を大切にする中で、新たな洋風新業態の「ママぴこりーね」を

 若い主婦層をターゲットに、薄味中心で野菜を豊富に使用した和惣菜を提案する。

いづれも自社の定番を守りつつ、新たなMDにチャレンジを始めている。


・「100円ショップ」は飽和状態にある中で、昨年に前期比53%とV字回復し、

 営業利益率6%と業界トップクラスの「セリア」は商品の単品管理で成長を目指す。

 2万アイテムを越え、商品の発注や陳列が個人の感覚に委ねられている中で、

 POSデータを活用し、売上の高い商品を自店と全店の中で明確にして、

 新規導入する商品と入れ替える商品を感ではなくデータで管理することを進めている。


昨日は「雛祭り」と言う事でスーパーを中心に各地域、スーパーを回って見た。

見る店舗は定時観測をしているが、店の提案力でお客様の支持が決まって来る。

特に雛祭りなどハレの日にお客様が平常の食卓との違いを求めて来店されるが、

その期待に答えるべき売場で商品提案が出来ている店、出来ていない店の

客数の違いや購買点数や単価の違いがハッキリしている。


商品提案するのは売場の人達、その人達がその日の売場に取り組む姿勢、

その前向きな姿勢で提案出来る店舗は強い。
 
 

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net