「消費環境の改善が進んでいる」

総務省がまとめた3月の家計調査によると、

・2人以上世帯の消費支出は前年同月比5.2%上回り、

 3カ月連続で9年ぶりの高い伸びとなった。

・勤労者世帯の消費支出は前年同月比7.6%の高い伸びとなり、

 14ヶ月連続で増加している。

これは消費環境の中で3月の完全失業率は、前月比0.2%減の4.1%となり、

2ヶ月ぶりの低水準に改善して来たことが大きい。


しかし小売業の百貨店やスーパーを見ると、消費が堅調なのは住居や衣料関連であり、

食品や日用品まで本格回復はしていない。

国民は食に対して飢餓の状態はなく、消費量が伸びる要素は少ない中で、

商品単価は小売り業の出店競争で抑えられたまま、

今後は各社の商品政策によって単価アップが図られるかどうかが鍵になる。

各社の価格政策は消費増税を控えてどのように対応するか、

今年の最大テーマになって来ている。


外食業界では各社の戦略で値上げと値下げに分かれており、

・回転寿司大手の「かっぱ寿司」は平日価格を1皿94円から105円に値上げする。

 ラーメン大手の幸楽苑は「中華そば」の価格を¥409に値上げすることを検討。

 マクドナルドはハンバーガーやチーズバーガーをそれぞれ20~30円値上げした。


・値下げは、吉野家が牛丼(並盛)を280円に¥100の値下げ、
  
 サイゼリヤではランチを¥100安い500円で始めた。


*マクドナルドの原田社長は紙上で一般論として、

 業績が悪い時や売上が下がっている時に値下げする事はあり得ない。

 価値を高め、お客様のお得感を上げて、全体の収益を上げることを考えないとダメと述べている。


価格政策だけでなく、小売り各社は品揃えや商品開発で

全体の業績アップを計画している。


・セブン&アイは食品や日用品のPB1700品目を刷新する。

 特にセブンプレミアムやセブンゴールドなどの高価格帯PBについて

 品質と価格の競争力を高め、15年度1兆円を目指す。


・セブンイレブンは弁当やおにぎり、雑誌を除く商品群で、

 全店共通で販売する「基本商品」の数を昨秋に比べ、

 783品目から12%多い878品目へ増やす。


・ローソンは国産食材を中心にして作る弁当「郷土のうまい」シリーズを販売する。

 価格は既存の売れ筋より2割程高く、各地の名産品をおかずにした弁当を月1品販売する。

 桜島どりのごっそ弁当、北海道産鮭照焼うまいっしょ弁当¥530など、


5日は子供の日、首都圏スーパー各店を回って見た中で、

売場として最も賑わっていたのは鮮魚専門店の角上だった。

鮮魚そのものより、握り寿司と魚惣菜の方が人だかりが多く見られ、

・握り寿司は1人前¥800~¥1000、3~5人前は¥3500~\5500

 魚惣菜は海老フライ\250、アジフライ\250、ホタテ串焼\200、サバ味噌煮等

 価格帯はスーパーより高く、都心百貨店並みであるが、

 握り寿司では本マグロの艶と鮮度、その他生ネタ使用のボリューム感で人気がある。

 魚惣菜のサイズは大きいだけでなく、ホタルイカ唐揚やゴチの天ぷらなど

 価格帯は高くても季節感と見映え、価値観でお客様を呼んでいる。


消費者は5日のハレの日と平日とは分けて捉えているが、

国内の食品消費量が伸びない中では、

商品の味・品質に重点を置き、価格は値頃を重視して提供出来る店づくりが重要であり、、

消費者はより美味しい物、質の高い物への欲求は強い。

今後景気の回復、個人所得が増えて来るとなれば、

なおさら消費の重点は質重視の方向へ向かってくる可能性が強く、

今年の中でしっかりと準備をする事が必要になっている。
  

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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