「景気は一部に弱さが残っているが、下げ止まっている。」

政府は2月の月例経済報告を発表した。

経済報告を2ヶ月連続で上げるのは、東日本震災以前の1~2月以来2年ぶり。

経済相は

「消費者心理も改善しつつあり、デフレを脱却する途上にある」と述べた。(日経)

一般大衆は本当にそのように思っているでしょうか。


電気料金やガソリンなどの燃料代が値上りし、

4月からトイレ紙やテッシュ紙、小麦の値上げが予定されています。

円安による原材料の輸入価格の上昇を企業が価格に転嫁するためだ。

デフレは止まっても、消費財の値上げで消費者心理は一層引き締まることになりそう。


1月の主要外食35社の既存店売上高は全体の7割に当たる25社が前年を下回った。

居酒屋は4ヶ月連続で主要5社が揃って前年割れ、

マクドナルドは前年比17%減でその他FFやファミリーレストランも前年割れが目立つ。

家計収入が変わらない中、値上げがあれば何かの支出を押さえるのは当然です。


日経調査が1年前に比べ外食の回数を全国の男女1000人に聞いた結果、

「減った」と「どちらかと言えば減った」との回答が42%を占め、

「増えた」と「どちらかと言えば増えた」は23%を大きく上回った。

年齢別では子供の教育費がかさむ40~50代が「減らした派」に多く、

減った店舗は

・ファミリーレストラン 22%

・ファーストフード   19%

・中高級レストラン   13%  の順になった。

低価格競争を続けるファーストフードが2番目に入った事は、

安さに消費者は慣れてしまい、長く続かないことを表している。

外食を減らした分、内食「家庭での食事」を増やしていることになる。


このような消費者行動の流れは更に高まると予想され、

小売り・外食店は2極化方向に向かっている。

・イトーヨカ堂はディスカウントタイプの店「ザ・プライス」を3年ぶりに出店し、

 3年で首都圏に10店出し、計20店にすると発表した。

 過去は既存店からの転換が主だったが、

 今後は約3分の1の広さで食品を中心にスーパーより安く販売をする。

 人件費を含む販管費は15~16%と従来より5%ダウンしたモデルが可能になった。


しかし、低価格政策を主導して来た西友の10~12月四半期は2期連続の減収になった。

客単価は0.3%増だが、客数は1.8%減と客足の回復につながらないことは

消費者は価格の安さプラス、その他商品の提案や目新しさ、サービスが必要だという事。


・持ち帰り寿司の大手で低価格を打ち出していた小僧寿司は、

 都心部で内装を高級化した高価格の出店を始める。

 鮮度の良い生ネタを使用し、品質にこだわりスーパーやコンビニとの違いを出し、

 客単価を通常より2割アップし、1300円を目指すという。


スーパーを含め寿司の低価格店は多くなっており、

寿司に安さを出しても寿司の消費は増えないことは明らか。

又、ネタに生や高級品を使用しても、販売方法を冷蔵で販売している店が多く、

シャリの味・鮮度を考慮している店が少ない。

消費者に美味しい、価値ある寿司を販売する為には商品と販売方法にも目を向ける必要がある。


日本マクドナルドについて日経MJがアンケート調査した結果、

・商品が高くなった。割引きが少なくなった。

の声が多くあり、他のFFやコンビニに消費者が流れたとの報告があった。

中でも気になった点は価格がコロコロ変わり、消費者が不信感を抱いている点だ。


消費者はスーパーのチラシ価格と違う感覚であり、

・商品価値(価格)への信頼感、

・より美味しいものへの上昇志向

・客層を広げる場の環境づくり

これは小売りサービス業に共通した、今後のキーワードだと感じる。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net