内閣府がまとめた9月の街角景気は2ヶ月連続で悪化した。

景気の実感を示す判断指数は41.2と8月を2.4ポイント下回った。

厳しい残暑で秋物が不振だったことに、

日中関係の悪化で中国からの団体客のキャンセルが出始め、

景気への懸念する声が出ている。

9月は「家計」「企業」「雇用」の全分野で悪化している。


又、2~3カ月後の先行き判断指数も0.1%低下して、

5カ月連続で前月を割り込んでいる。

海外経済の減速で輸出が減り、補助金政策で支えて来た個人消費にも

陰りが出て来ており、小売業の売上は前年を下回って来ている。


消費者の生活防衛意識の高まりを受けて、

スーパー各社の価格競争は年末に向かって激しさを増すようだ。

・イオンは3つのPBの内「トップバリュー・ベストプライス」で

 従来のPBより更に2~3割安い格安PBで13年度は11年の2倍を見込む。

その他、西友、マルエツ、ユニー、バロー、ダイエーなど大手スーパーが

6月から相次いでNB商品の値下げを表明して実施した。


そのスーパーの値下げ合戦の影響が出ているのか、

コンビニの6月以降の既存店売上は前年比マイナスに転じている。

・ローソンは13年2月期既存店売上高予想を期初の1%増から0.5%増に下方修正。

 その他セブンイレブンやファミリーマートも6月以降は落ち込んで入ると報道。


しかし、コンビニは限られた売場で客層を拡大するべく、売場の改装を始めている。

・セブンイレブンは陳列棚の高さを20cm程高くして

 調味料や日用品などスーパーが強い商品を増やした。

・ローソン、ファミマは売場を従来より2割近くの拡張で品揃えを増やす計画で、

 従来は2500品目だが、それを2800~3000品目に拡大する。

 その他、新型店ではスーパー同様、イ―トインコーナーも設置するなど

 商圏に眠る潜在需要を掘り起こし、成長を維持する計画が進んでいる。


・又、ファミリーマートは自動販売機でおにぎりやサンドイッチなどを販売する

 「自販機コンビニ」を導入し、首都圏や関西など2015年までに

 現在の3倍近い1500か所に設置する計画。

 オフィスや工場、スタンドで1日300~400人の利用で採算を取れるという。


値下げ競争で生き残れるのトップ企業に限られ、

小売業は変化して行く消費者ニーズをいかに捉えるか、

消費者の「あったらいいな」と感じる潜在ニーズをいかに掘り起こすかにかかっている。


日経の消費分析によると、東日本大震災から1年が経ち日本人の消費意識の変化は

・物を買う前にじっくりと必要な物を考える

・機能や特徴をより確かめて物を買う

・長く使えるものを選ぶ

又、震災後に変化した節約や安全、防災意識はより高まっていると答えている。

特に「南海トラフ」地震の危険から近畿圏の防災意識は強まっている。


小売大手のイオンは防災協定を結ぶ自治体を増やす一方、

大型店に自家発電装置をつけて災害時の営業が出来る体制づくりを強化する。

セブン&アイHDも自治体との協定を増やし、

災害時の支援物資の提供や店舗スペースの開放する。


日本政策金融公庫の消費者行動調査によると

60~70歳のシニア層で健康志向がより高まっていると報道。

・栄養バランスを気にするが70.9%

・加工食品を買う際は原材料や品質を優先するが46.7%

・その他に少量化、健康機能が強化されている物

など、他の世代と比べて回答比率が高い。


日本水産は3年後を目途に魚の油脂に含まれるEPAやDHAなどを

配合した機能性食品を現在の3倍強の70億円に引き上げる。

マルハニチロHDも同様に3年後に生産を2倍に増やす計画。

・日本水産は「イマークS」や「豆乳クッキー」

・マルハニチロは魚肉ソーセージ「リサーラ」の販売に力を入れる。


マルエツは11月から夕食弁当の宅配サービスを始める。

1食¥500で月~金曜の5日間コースと週末を含めた7日間コースで

前払い方式で毎日の夕食時間帯に配達する。

現在の夕食宅配は外食ワタミが全国展開に踏み切っており、

その他、各地域では生協やパルシステムが実施し、注文数量を増やしている。


お客様は店を開けて待っていても来てはくれない流れに、

こちらから注文を聞く、商品を届ける時代が近づいて来ているようだ。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net