国立・人口問題研究所が30日まとめた将来推計人口は

少子高齢化と生産人口(15~64歳)の減少が日本の経済に大きな打撃を与える。

2010年の人口1億2800万人、生産人口比率63.8%。

2030年の人口1億1662万人、生産人口比率58.1%。

その中で老齢人口比率(65歳以上)は23%から31.6%へと増加する。

この傾向があと50年続き、老齢人口は40%まで増加し、

働き手の生産人口は50%まで落ちると予想している。


その中で企業が生き残るためには、生産性の向上が最低必要条件になる。

売上の伸びは期待できない中で、利益を維持する為の体質を急がなければならない。


それに老齢人口増加に対して、高齢者の消費を促す政策が必要になって来ますが、

日本リサーチ研究所の分析によると、高齢者の消費喚起に必要な条件は

1、距離は短く、時間は長く

 近くの店で買い物をしたいし、時間をかけてゆっくりとしたい。

 又、ネットなどの買い物を利用し、その他の消費に時間をかける。

2、コミュニケーション

 買い物の中で、店員と又は知り合いとのコミュニケーションを重視する。

3、品質と安全性

 価値ある商品を長く、この品質と安全であればこの価格でも納得する。

4、モノよりサービス

 モノの消費は限度があり、サービスの消費には限度がない。

5、ソーシャルマインド

 大震災を機に社会貢献意識は高まり、社会の為に役立つ消費を求める。


現在、急速に伸びているネット販売はこの背景の基に成長を続けると思われるし、

又小商圏、小型店舗の重要性も高まって来る。


その中で、イオンは小型ショッピングセンターを強化すると発表。

専業のイオンタウンが4月から別の子会社を統合して一体運営を始める。

規模は近隣型SCとして、1万平方m程度で首都圏や中部、近畿圏の出店を進め、

13年には10店以上を目指している。


又、ユニーはCVSの「99市場」を子会社化して「ミニピアゴ」の出店を強化。

規模は160平方m前後の小型スーパーとして首都圏の出店を開発し、

1年後100店、3年後に300店まで増やすと発表。

ユニーの地盤は中京圏だが、今後は埼玉や神奈川などの

首都圏に出店余力が大きいと見て店舗拡大を計画すると発表。


小商圏対応を強化するのは小売業だけでなくメーカーにおいても同様で、

味の素はうまみ調味料、ハウス食品はカレールー、Jオイルミルズはキャノラー油で

主力の半分以下の小容量品の発売を始める。

各メーカーの売れ筋は小世帯少人数化に沿って小型化しており、

サラダ油は10年前の1.5Lから1Lサイズに変わって来ている。


この人口動態変化に対して、

スーパー・惣菜の商品や販売政策は変わって来ているだろうか。

・商品のサイズは時間帯によって大中小に変わっているか。

・それによって、販売フェースも時間帯別に変化しているか。

・発注ロットは限りなく小ロットに変わっているか。

・小ロット製造に対して、器具備品や作業レイアウトは見直しているか。

・多頻度製造に対して、人員計画の変更をしているか。


小世帯高齢化が進んでいる消費行動に対し、

商品と売場の対応を見直し、

売上は伸びなくても利益の出る体質づくりを着実に取り組む所に来ている。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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