2011年 5月の記事一覧

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11年05月29日 12時00分03秒
Posted by: asahikikaku
小麦の政府価格の値上げによって、山崎パンや製パン各社は

7月より製品価格の5%を超える値上げを決めた。

その他、大豆・トウモロコシの穀物価格も上昇している。

特にトウモロコシは年初に比べ2割の値上り、過去最高価格に近付いている。

原因は最大産地である米国の天侯不安定なことに対し、

需要はバイオエタノール生産が5年前に比べ3倍に増えており、

米国産トウモロコシ需要全体の約4割を占める見通しになっている。


その中で、ロシアは昨年8月から導入していた穀物輸出禁止措置を解除し、

7月より輸出を再開することを決めた。

ロシアの輸出解除は穀物の国際相場を押し下げる要因として期待されるが、

新興国需要も合せて価格値下がりの可能性は低いようだ。


穀物の値上がりによって、畜産飼料価格が値上りし、畜産相場の上昇につながっている。

国内の加工肉メーカー各社は原料価格の値上がりと東日本震災による影響で

販売環境に厳しさを増しており、アイテムの絞込みで生産効率の改善を打ち出している。

・日ハムはこの3年間に製品数を3割絞込み、

・伊藤ハムも総菜のアイテムを今後4年間で4割減らす

・プリマハムはハム・ソーセージなど3年間で約半数に絞り込む


デフレ経済で長く続いて来た商品相場の低迷は、東日本震災を機に変わり始めています。

震災の後遺症で消費者は商品が棚からなくなった時の不安感を初めて知った人も多く、

安いから沢山買う、高いから買い控えると言う意識は変わっています。

・本当に必要な商品かどうか、

・なぜ、この商品を選ぶのか、

・必要な数量はいくつか、


利益なきところに成長はなし!

震災に対する事業も慈善事業ではありません。

法人がきちんと利益を出すことによって、雇用を生み納税をして地域に貢献する姿が望まれます。

その為には

・自社自店の得意分野をより強化し、生産性を上げ利益を出す為に

 製品、商品の絞込みが必要になっています。

スーパー、惣菜においても消費者から支持の強い売場・商品は何か、

大手スーパーもローカルスーパーも同じような品揃え、商品の品質、価格帯では

消費者から選択の余地がありません。

自店の顔になる商品をより磨いて行くことが、自店らしさを訴えることになり、

利益の最大化につながります。

拡大する前に絞り込む、成長する基礎固めを確認しましょう。


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、寿司


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11年05月22日 11時39分04秒
Posted by: asahikikaku
東日本震災後のGWは予想外の行楽地での人出となった。

特に西高東低の傾向が強く、安近短の集中した行楽になったようだ。

又、消費マインドについて、GWに開店した大阪三越伊勢丹は開店日50万人の入店があり、

名古屋以西と以東では大きな違いがハッキリしてきた。


電通総研が4半期ごとに作成している「消費気分指数」は

(4/11,12に全国の20~60歳の2000人対象に調査)

震災後に関東以北の自粛意識を持つ消費者層と

名古屋以西の自粛意識を持たない消費者層では消費マインドに差が出ている結果が発表された。


震災後に強まった生活者意識としては

・安全志向    79.4%

・節電節水志向  70.3%

・メリハリ志向  69.2%

・無駄排除志向  67.6%

・持続可能志向  66.0%

・情報志向    65.7%

・癒され志向   65.2%

・エシカル消費志向 65.1%

・絆志向     63.9%

・ハレ志向    60.6%  
 のデータになった。

普段の生活においては節約をしっかりとやって、

社会に役立つ行動や消費を意識して、

ハレの日には豪華な思いきった消費をしたい。


この生活者意識は今後の原発事故の終息と夏場電力供給状況によって

変わって行くと思いますが、

スーパー・小売店として前向きな消費を推進する立場で

十分に考慮しなければならないと思います。

特に惣菜としては

・安全な商品を、商品の特徴を良く分かるように案内しながら

 平日と週末、ハレの日の生活場面に合せた商品づくりと販売方法を強化することが大切です。


又、商品を切らさないようにきちんと陳列していくことは大切ですが、

・消費者は買いたい商品が良く分かるように、目立させて陳列してあること。

・商品購入を決心させるコト(理由)が説明されていること。

・最後の一言の接客や試食など買って良かったと納得させること。


今までと違った販売計画が必要になって来ています。


夏休みが近づいて来ていますが、

夏の国内旅行は66%の人が計画している又は行きたいと思っており、

又海外旅行は33%の人が同じ回答をしていることから

消費意欲は根強いと言えると思います。

(被災された地域、人たちを応援するためにもエシカルな消費を心がけたい)


各人が日本の将来を信じ、出来る事を精一杯やろう。  


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜


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11年05月15日 12時05分16秒
Posted by: asahikikaku
東日本地震災害、お見舞い申し上げます。

被害に会われた皆さまの一日も早い再建を心から願い、応援致します。


冷凍水産物の卸値が上昇している。(日経)

東日本震災による水産物の供給不安があり、

需要が伸びていない中で保存が効く冷凍水産物の仕入れを増やしていると見られる。

・冷凍スルメ -1kg420円 (1カ月前より14%上昇)

・冷凍銀鮭 - 1kg714円 (1カ月前より8%上昇)

・北海道産冷凍秋鮭 -1kg662円 (1カ月前より15%上昇)

 その他、冷凍銀タラ、タコも値上りしている。

しかし、放射能汚染で安全性が危惧されるコウナゴは1kg473円と7割下落している。

政府はサンマについて、今年の輸入枠を過去最大の11800トンに増やすことに決めた。

昨年の輸入実績の約3.3倍となるが、

今年のサンマや牡蠣については東北産が期待出来ない為に、

季節の味覚は高く付きそうだ。


中元商戦が今月中旬から百貨店で始まる中で、

東日本震災の復興支援に絡めて、東北地方の産物の品揃えが増えると予測する。

中には、商品を受け取った人が商品の代わりに被災地に義援金を選択出来る企画もある。

・三越伊勢丹は「がんばれ!東日本」のギフトコーナー

・大丸松阪屋は東北地方の販売コーナー

・高島屋は受け取った人が商品を選べるプランで「義援金」など


今年の販促テーマの中に、

・困っている人を助ける支援の輪

・節電を含めて本当に必要な物かどうかを考える

・社会性、環境に配慮した商品コンセプト


博報堂は1年余りまえに、消費テーマを「もっと」から「ちゃんと」へと予測したが、

この傾向は3.11の震災からより強まるのではないでしょうか。


日経レストランの消費者味覚調査レポートから

・今年は旨味と辛味に合せて酸味を好む傾向が強まっている。

 昨年ヒットした食べるラー油をベースに、

 酸味をプラスして味にメリハリを付けた物がヒットするのではないかと予測する。

 ミツカン酢は飲むお酢をPRしているが、

 酢の酸味を押さえながら、さっぱりと食べたいニーズが増えて来る。

・消費者が求める「食感」は

 「サクサク」「ふわふわ」「とろ~り」など

 ひらがな文字でやさしいイメージが引き続いて求める声が強い。

・外食での傾向は、味付けがあっさりしている商品の傾向が強く、

 うどん、鍋料理、寿司、そばなどのメニューが増えた。

 反対に、ステーキ、オムライス、焼肉、ホルモンなどこってりしたものは減った。


スーパーのお惣菜は揚げ物が多いと良く指摘されるが、

揚げ物を減らすことよりも、揚げ物を酸味とマッチさせて「あっさり」と食べる工夫が必要になっている。

又、高齢化に伴い健康に配慮した「和」の惣菜はコンスタントに伸びて行くと予想する。


各人が日本の将来を信じ、出来る事を精一杯やろう。  


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜


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11年05月08日 11時13分29秒
Posted by: asahikikaku
東日本地震災害、お見舞い申し上げます。

被害に会われた皆さまの一日も早い再建を心から願い、応援致します。


管首相による中部電力浜岡原発の停止要請があって、

東京電力管内だけでなく、中京経済圏にも節電の必要性が出て来ました。

私たちの家庭や店舗や工場において、電気の有難さや重要さを改めて感じる年になり、

親の有難さも亡くなって初めて分かるように、

日常生活の中で当たり前になっていることを見直す良い機会かも知れない。


連休に東北自動車道を走ってみると、東北3県以外の栃木、群馬、埼玉においても

屋根瓦が壊れた後の修理が出来ず、ブルーシートをかけている光景が多く見られた。

震災直後のガソリン不足はすぐに解消されたが、

屋根瓦の不足はいつになったら解消されるか、ハッキリしたことは分からない。

デフレ社会の中で物があって当たり前の時代から、

物がなくなった時のことは考えないで生活していますが、

これからは有限資源を意識した生活がより一層求められるのではないでしょうか。


今、関東以北のスーパーや小売店、企業は夏の20%節電計画が目白押しの中で、

・最大手のイオンは店内照明のLED化や飲料ペットボトルなどの冷蔵保管見直し。

・セブンイレブンは冷蔵ケースの設定温度を2℃上げることや太陽光パネルの設置で10%削減。

・ローソンも全店のLED化照明で20%の節電。

・メーカーで始まる夏時間をイオンでも6月から導入して閉店時間を早める。

など設備投資とオペレーションの変更で節電=コスト削減対策が進んでいます。


企業はコスト削減を否応なしに迫られていますが、

これが今後の企業体質強化につながって来ると強く感じられます。

今後40年間に渡って国内消費量が下降トレンドに入っている中で、

地域商圏で営業しているローカルスーパーのコスト削減は大きな課題です。

節電と言っても商品の売上にセーブがかかるような節電は逆効果ですから、

店の全体照明と各売場照明のバランスを見て、

商品が見えにくく、買いにくいことにならないような照明の節電が必要です。

あるお店では売場の棚の影で商品が良く見えない状況も多だ見られました。


又、食品スーパーのマルエツではチラシ配布回数を従来の3分の1に減らす試みを実施中。

月の初めと中のメーンチラシを中心に、店内の曜日別割引き販促でコスト対効果を追求する。

スーパーの中で作業コストの一番高い惣菜製造について、

・原材料の仕入れ形態・方法

・作業器具と作業レイアウト

・製造作業の標準化と個人作業の組合せ ・・・

まだまだコスト削減、生産性アップの余地は十分にあります。

これを機会に自店のオペレーションについて再度仕組みを見直し、

売上が減っても、利益は減らない体制づくりに取り組む価値は十分にあります。


各人が日本の将来を信じ、出来る事を精一杯やろう。  


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜


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11年05月01日 12時15分22秒
Posted by: asahikikaku
東日本地震災害、お見舞い申し上げます。

被害に会われた皆さまの一日も早い再建を心から願い、応援致します。


3月の経済指標が政府から発表され、

・実質消費支出は前年同月比 8.5%の減少

・鉱工業生産指数前月比 15.3%低下

民間エコノミストの景気予測(GDP)は

・1~3月前期比 マイナス2.3%

・4~6月前期比 マイナス3.2%

7月からはプラスになると予測しているが、東日本震災と福島原発災害の

後遺症は今後も続く。


小売業の3月売上高の発表がされました。

・百貨店は既存店ベースで前年同月比で14.7%のマイナス

・食品スーパー3業界の全店ベースで前年同月比3.6%のプラス

東日本震災による東北地方店舗の臨時休業の影響や

不要不急の買い物を控え、飲料水やカップ麺などのまとめ買いなどの

影響が百貨店とスーパーの売れ行きに影響している。


又、外食産業の主要35社の3月既存店売上高は、

31社が前年同月実績を下回った。

特に、居酒屋、ファミレスは大幅に落ち込んだが、

牛丼チェーン大手3社は既存店売上を確保した。


*4月以降は3月の反動が出ることや

福島原発災害の影響を受けている農作物の供給が減ることで

夏場野菜の価格と量に大きな不安が出ている。

東北3県の主要野菜の7~9月出荷シェア・東京都中央卸売市場では

・キューリ  60%

・トマト   21%

・ピーマン  45%

・生椎茸   34%

を占めており、大阪中央市場へも野菜は出荷されている。

夏場野菜の少々高い買い物は東北応援の意味を含めて

消費者に訴えて行くことが必要になってくると思う。


今後の大きな課題は夏場の電力使用量削減をどうするか、

・工場などの大口需要家は使用電力25%削減、

・食品スーパーなどの小口需要家は20%削減目標を与えられている中で、

生鮮食品を扱う食品スーパーは商品の品質・安全を守りながら、

電力削減を実施するになれば先ず照明を落とすことが優先される。

しかし、食品スーパーは冷凍・冷蔵庫電力に比べれば照明の電力量は少なく、

それだけでは削減目標達成は難しい。

一部のスーパーは夏場に向けて、発電機を各店に導入したとの対策も始まった。

各店においては

・夏の空調温度を30度に上げる

・飲料水、お茶やジュースの冷蔵陳列をやめる

・店舗照明や陳列ケース照明をLEDに切り替える

ことも検討・実施が求められ、

又、惣菜部門においても

・作業オペレーションにおいては冷凍・冷蔵庫ドアの開け閉めを迅速に行う

・冷蔵ケースの吸込み口清掃や冷凍庫の霜取りを細かく行う

・電気フライヤー、オーブンなど使用しない時間帯は電源を落とすなど

日々の作業の中で、創意工夫が求められる1年になる。


消費者には節電努力をきちんと説明することで、お店のロイヤリティはアップする。

各人が日本の将来を信じ、出来る事を精一杯やろう。  


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜


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