経費の考え方
記事投稿日2022年07月07日木曜日
投稿者:アナトリア経営研究所 カテゴリー: General
◎はじめに
・会社経営は、資金の調達より資金の使途、つまり「お金の使い方によって決まる」と言われています。その使ったお金のことを会計では、「経費」と呼ばれています。
そこで、経費の使い方で、経営者の力量や会社経営の成果が分かると言えるかもしれません。
・経営の基本は、「入りを図りて、出ずるを制する」(井原西鶴)
=収入を予測して、それに合わせて出費(経費)をコントロールする
◎経費の分類
・会社は、利益を上げることを目的に作られた組織です。利益を上げるために、様々な費 用がかかります。会社を適切に管理するためには、その費用を目的と性格によって、次のように分類すべきです。
分類1.投資経費か、非投資経費か
分類2.管理経費か、管理不能経費か
分類3.削減可能経費か、削減不能経費か
◎投資経費
・定義:収益が上がるというリターンがある経費
・例:①宣伝費 ②設備投資 ③人件費 ④求人費
・ポイント1.投資経費は、リターンに対する確実性が高く、効率性も高い場合、積極的に経費を使うべし!決してお金を惜しんではいけません!
投資経費が、リターンに対して確実性が低いか、効率性が低い場合、管理すべき経費です。管理しながら、いい塩梅というノウハウを蓄積しましょう。
・ポイント2.これからの時代は、生産性を上げる設備投資が不可欠!
産業革命は、3大発明(複式簿記(=有限責任会社)と分業と蒸気機関)によってもたらされたと言われています。
複式簿記の発明は、「資金を集めて設備投資のしやすさ」という革命をもたらしたのです。
中小企業ほど設備投資や宣伝費を軽視しすぎです。
投資経費の使い方のうまさが会社の規模を決めます。
◎管理経費(事例:比較変動損益計算書内の管理可能経費)
・定義:誰かが管理する事によって効率的に経費を管理できる経費
※この場合の管理とは、PDCAの事であり、経費は数値であるが、数値をよくする為の管理者等の行動改善を伴う改善活動である。
・例:①原価率 ②人件費比率=人時生産性=シフトコントロール ③販促費比率=販促効果(戻り率、反響効果等)
・ポイント1.管理経費は、誰が管理できるかは立場によって決まる。管理できる者に管理させ、ノウハウを蓄積させることが大切です。
※良い管理とは、ノウハウのブラッシュアップができるものを言う。
ノウハウのブラッシュアップをし続けることによって、他社と差別化でき、更に積み重ねると絶対差になることがある(微差を積み重ねると、大差になり、さらに積み重ね続けると絶対差にな
る[鍵山秀三郎])
・ポイント2.管理経費は、管理する者が分かりやすいように見える化することが大切!
・ポイント3.管理経費は、少なくとも毎月見える化して、分析・改善を行うべし!
◎削減経費
・定義:いざという時に切りやすい経費
・ポイント1.削減経費は、その時その時の状況によって変わる。事業の復元性を考慮して判断されるものである。
・ポイント2.「この経費は、今、切れる経費か」「この経費を切れない理由は何か?」を考える習慣を持つと、経費にまつわる条件と重要度が見えてくる。
結論:経費は、ただ出ていくお金ではなく、その項目によって会社毎に価値が異なる。
経費毎に、その価値を見極めることが経営の要諦であり、会社毎の独自の経営ノウハウになり、他社との差別性にもなるのです。
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