日本の履歴書には、必ず年齢の記入欄があります。面接の時にも改めて確認したりすることも何一つ疑問に感じることなく行われています。その上、応募者本人についてだけではなく、父母の名前・年齢・出身地・職業・年収・出身大学等に加えて、その他の家族状況をきめ細かに質問することもごく当たり前に行われていますが、アメリカではそのような質問は全て違法になります。

日本においても一人の労働者としてその権利を保護する為に雇用法が存在しておりますが、実質にはあまり重要視されていません。それに対して、アメリカ社会では、日本とは比較にならないほどその法律がより厳格に守られており、多くの日系企業の駐在員の皆様がかつて経験したことのない戸惑いを感じているのが実情です。

そこで米国での採用面接時に留意しなければならない重要ポイントは、質問可能な事項と質問してはいけない事項の存在を常に意識する必要があることです。

日本で慣習的に行われていて、アメリカでは質問してはいけない事項の具体例:

・年齢確認を意図するもの

・家族について

・結婚の有無、婚姻暦について

・人種確認を意図するもの

・犯罪歴・逮捕暦について(但し、例えば、会計・経理等のポジションで、職務に直接関係する場合は、可能性のある関連犯罪歴についての質問は可能です。)

また、応募者が提出する履歴書上も含めて、上記以外にも次の事項に関する質問や記述を要求することも米国雇用法に触れますので、注意が必要です。

・ 身長・体重や健康状態について

・ 肌の色について

・ 写真の添付・提出義務について

・ 軍隊経歴について

・ 団体・組織・組合等への所属について

・ 宗教や信条について

◎実際の採用決定時においては、履歴書に記載された学歴・経歴の確認・財政状況(クレジット信用)・犯罪歴の有無を第三者である信用調査機関に照会することが一般に行われていますので、ご利用されることをお勧めします。(所定のフォームを準備して、応募者本人による必要事項の記入とサインと共に、第三者に情報提供を行う事に対する信用調査許可をもらう必要があります。)

よくあるケースですが、応募者が日本人の場合、日本にいるのと同じような気持ちで何を質問しても許されると思われている駐在員の方も多いのですが、たとえ日本人であっても、米国での現地採用時には、厳格な米国雇用法が適用されることを覚えておかなければなりません。

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